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野菜ソムリエ・緒方湊くんおすすめ「焼いておいしい旬野菜」③サツマイモ

じっくり焼くことでサツマイモの甘みが増える?!
野菜はじっくり焼くことで、素材の持ち味が引き出され、凝縮したうま味を楽しむことができます。最年少野菜ソムリエとして活躍する緒方湊くんに、焼いておいしい旬の野菜と上手な焼き方を教えてもらいました!

“焼きいも”が甘くておいしい理由

サツマイモと言えば、最初に“焼きいも”が思い浮かびませんか。ホクホク・ねっとり食感に自然の甘み、そして皮や蜜が焦げた香りもたまりませんよね。

サツマイモは、60~70℃の低温でゆっくり加熱することで(石焼きがこの温度帯です)、中に含まれるでんぷん分解酵素の糖化の働きによって、甘さが増していきます。さらに水分が適度に蒸発するので、甘みが凝縮されます。

ご家庭のオーブントースターは220~250℃ですが、丸ごと焼けばゆっくり中まで火が通っていくので、同じ効果が得られます。

ちなみに、サツマイモを蒸すと水分が蒸発しないので、焼きに比べ甘みはやや弱いですが、しっとり食感になります。茹でると、水分が多いのでねっとり仕上がりますが甘みは少なめです。電子レンジはホクホク食感にはなりますが、中身がすぐに高温になるので、甘みは増えません。

サツマイモがもつ甘みを思う存分楽しむなら、“焼く”がおすすめです!

ホクホク系・ねっとり系~焼き芋におすすめの品種

これまでサツマイモといえばホクホク系が主流でしたが、最近は焼きいもブームの影響もあり、ねっとり系が注目されています。

ねっとり系を代表する品種が、人気の火付け役「安納芋(あんのういも)」と、既存品種よりも“はるか”に甘い・食味も良い「紅はるか」です。「安納芋」は少し高価ですが、「紅はるか」は、市場に多く出回り気軽に買える品種として人気です。その他、太白(たいはく)という白いサツマイモ、マロンゴールドなどもあります。

ホクホク系では、鳴門金時(なるときんとき)、高系(こうけい)14号、紅赤(べにあか)が有名です。紅あずま、黄金千貫、紫いも、種子島ゴールドなどもあります。

焼きいもをおいしくするホイルの包み方

オーブントースターで焼きいもを作る場合は、黒ホイルでイモをぴったり包みます。

「石焼いも黒ホイル」は黒色の表面がオーブントースター内の輻射熱を吸収し、その熱をイモに伝えるので隙間なくピッタリ包んでくださいね。

◇湊くんオススメの食べ方!◇
焼き芋にバターと生クリームを混ぜてペーストにしたものをパンに塗っていただきます!もう一つのおすすめは、焼き芋の「丸ごと冷凍」です。糖度が高いのでカチカチにならず、ねっとり食感のおイモアイスクリームみたいになりますよ。

皮まで食べて腸活効果アップ!

サツマイモを輪切りにすると、皮に近い部分から白い乳液状の成分がしみ出てきます。これは「ヤラピン」という成分で、腸の働きを助ける効果があります。焼き芋を皮ごと食べればヤラピンも逃さず摂取でき、サツマイモに豊富に含まれている食物繊維との相乗効果で、腸スッキリ効果が期待できますよ。