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野菜ソムリエ・緒方湊くんおすすめ「焼いておいしい旬野菜」⑯ジャガイモ

ホクホク&ねっとり系など多彩な品種を食べ比べ!
野菜はじっくり焼くことで、素材の持ち味が引き出され、凝縮したうま味を楽しむことができます。最年少野菜ソムリエプロとして活躍する緒方湊くんに、焼いておいしい旬の野菜と上手な焼き方を教えてもらいました!

新ジャガは皮ごと使える!

3月から5月は、新ジャガがおいしい季節です。
ジャガイモの産地といえば、北海道が全国シェア80%を占めますが、春に新ジャガとして出回るものは、主に長崎産や鹿児島産です。北海道が雪の季節で作付けができない11月~1月に作付けされ、3月~5月に収穫されています。新ジャガは収穫して間もないので、皮が薄いのが特徴です。水分が多く、しっとりした食感が楽しめます。
一方、貯蔵されていたジャガイモは、ほどよく水分が抜けており、ホクホク感が増しているのが特徴です。

品種が豊富!食べ比べも楽しい

ジャガイモの品種でお馴染みなのは、ホクホク系の「男爵」、ねっとり系で煮崩れしにくい「メークイン」の2種です。最近では、これら以外の品種もスーパーで見かけるようになってきました。いくつか例をあげると…

≪きたあかり≫
白黄色の皮で果肉は黄色。男爵よりも甘みがある。ホクホク系で煮崩れしやすい。
≪インカのめざめ≫
果肉は濃い黄色。栗やサツマイモのような風味と食感。煮崩れしにくいねっとり系。
≪デジマ≫
新ジャガとして流通する長崎で作られた新品種。名前の由来は「出島」から。ホクホクとねっとりの中間。

そして、僕のおすすめは ≪キタカムイ≫(画像左)です。丸い形で白く、舌触りがいいのが特徴で、家庭菜園で毎年育てています。

ジャガイモは品種によって、ホクホク系、ねっとり系、その中間など特徴が異なるので、お気に入りを見つけてくださいね。ホイル包み焼きなら、数種を組み合わせて焼いて、食べ比べもできますよ。

※湊くんの家庭菜園では、数種類のジャガイモを育てています。

[基本のじゃがいもホイル包み焼きの作り方]
①火の通りをよくするために、ジャガイモの上部に深さ2cmほどの十字の切り込みを入れる。
②切り込みに、お好みでニンニクやバターを差し込む。
③アルミホイルでぴったり包み、オーブントースターで10~15分加熱する。
※おすすめは東洋アルミの「石焼いも黒ホイル」。黒色の表面がオーブントースター内の輻射熱を吸収し、その熱をイモに伝えるので隙間なくピッタリ包んでください。普通のアルミホイルよりもホクホクに仕上がります!

好みもありますが、ホイル包み焼きには、メークインなど煮崩れしづらい品種がおすすめです。
ジャガイモは、さまざまな食材と相性のいい食材です。肉類、魚類、ほかの野菜などと一緒に包めば、それらのうま味がジャガイモにしみ込んで、さらにおいしくなります。アレンジも楽しんでくださいね。

◇湊くんおすすめの食べ方◇
小さめに切ればジャーマンポテト風、細切りにすればガレット風になります。外はカリカリ、中はフワフワになっておいしいですよ♪

ビタミンCを効率よく摂れる!

ジャガイモは、抗酸化作用のあるビタミンC、余分な塩分を排出する働きのあるカリウムが豊富に含まれています。
ビタミンCは熱に弱い成分ですが、ジャガイモの場合はでんぷん質がビタミンCを守っているので、加熱しても壊れにくく、効率よく摂取することができます。

ビタミンCもカリウムも水溶性なので、茹でると流出してしまいますが、ホイル包み焼きなら、逃すことなくいただけますね。

ジャガイモの皮は天然の界面活性剤!

ジャガイモの芽と緑化した皮には、有害な成分(ソラニン)が含まれるため、しっかり取ってください。

ちなみに、ジャガイモの皮には「サポニン」という成分が含まれています。サポニンは天然の界面活性剤と呼ばれ、石鹸のような働きをしてくれるので、シンクの水垢や油汚れのベタつきのお掃除に活用できますよ。